キリン舎と申します。
普段は自作キーボード界隈でメカニカルキーボード用のkawaiiキーキャップを自作したり、デスクマットをデザインしたりしています。
キーキャップ - BOOTH / デスクマット - BOOTH
今回は中期レビューかつ補完記事になります。
以前このような記事を書きました。
kirinsha-keycaps.hatenablog.com
その後、Xreal Air Beamのアップデートがあり、DRMコンテンツに対応したことでXreal AirとBeamを接続するだけでNetflixやPrime Videoを観られるようになりました。
ただ、後述しますが正直がっかり感がぬぐえなかったので、今回の記事ではあまり触れません。(がっかり感の詳細は残しておきます。)
一方、Quest 3はアクセサリが充実してきたこともあり使用感が大幅に向上しました。
前回の記事でも、Quest 3 はほぼノーマル(素のまま)なのに、Quest 2ではサードパーティー製のヘッドストラップやフェイスクッションを使用しているなど、比較はフェアではないなあと思っていたので、このあたりで再度まとめておこうと思います。
また、私はQuest 3をスタンドアロンとしてだけではなく、Steam deckとImmersedで接続して使うことも多いです。Immersed、無線接続だと遅延が気になるのですが、有線接続*1では全く気にならずすごく快適です。
ただ、ここまで安定して使用できるようになるまでいくつかの困りごとがあり、追加で購入したものもあります。それらについてもまとめておきます。なお、使用しているSteam DeckはLCD版です。現行のOLED版とはバッテリーのもちなど異なると思いますので、ご注意ください。
最後に、掲載しているAmazon・楽天・メルカリの商品ページにはアフィリエイトをつけています。ご購入の際はなるべくこちらのページを経由していただけると、大変ありがたいです。
www.steamdeck.com
[メルカリの検索結果]
Quest 3 https://x.gd/2bdpM
Quest 2 https://x.gd/krmtY
Xreal Air https://x.gd/49iBx
Steam Deck https://x.gd/ZuLYj
結論
結論から言うと、順位にほとんど変動はありません。ただ、Quest 3 がかなり快適に使えるようになったので、圧倒的になりました。
◆ごろ寝で映画
Quest 3 ≧ Quest 2 > XREAL Air+Beam > XREAL Air
⇩
Quest 3 >>> Quest 2 > XREAL Air+Beam > XREAL Air
◆ごろ寝でゲーム
Quest 3 ≧ XREAL Air+Beam > Quest 2 > XREAL Air
⇩
Quest 3 >>> XREAL Air+Beam > Quest 2 > XREAL Air
◆モニターの代わり
XREAL Air+BEAM ≧ Quest 3 > Quest 2 ≧ XREAL Air
⇩
Quest 3 >>> XREAL Air+Beam > Quest 2 ≧ XREAL Air
◆移動中 *変動なし
XREAL Air+Beam > XREAL Air >>> Quest 3 >>> Quest 2
⇩
XREAL Air+Beam > XREAL Air >>> Quest 3 >>> Quest 2
全体の項目別比較
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XREAL Air |
Quest 2 |
Quest 3 |
手元の作業 |
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◎ |
△ |
○ |
操作のしやすさ |
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△ |
○ |
◎ |
無線 *LAN / 端末間接続 |
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× (+Beam:○) |
◎ |
◎ |
価格(新古品含む相場) *2023.10現在 |
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40,000円程度 Beam:約15,000円 |
40,000円程度
アクセサリ:約10,000円
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70,000円程度
アクセサリ:約10,000円
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映像
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キレイさ |
◎ |
○ |
◎ |
揺れ |
多 (+Beam:少) |
少 |
少 |
気になるポイント |
多 |
少 |
少 |
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*座った状態で |
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XREAL Air |
Quest 2 |
Quest 3 |
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短時間(1h程度) |
× |
◎ |
◎ |
長時間(1h以上) |
× |
○ |
◎ |
PC接続+作業
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短時間(1h程度) |
◎ |
○ |
◎ |
長時間(1h以上) |
◎ |
○ |
◎ |
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*◎: 快適 / ○: 可能 / △: 困難 / ×: 不可 |
Xreal Air Beamのアップデートについて
-配信の視聴はSD解像度(720p×480p)が上限のようで、正直「まじかー」となりました*2。
-Prime Videoの視聴は、アニメでも実写でも正直厳しいと思います。私は粗くて観ていられませんでした。ストリーミングでも、ダウンロード時に最高画質を選んでも*3厳しいです。
-ただ、同じ条件のはずなのですが、Netflixでのアニメ視聴は気になりませんでした。それでも「気にはならない」のレベルで、画質がいいなという印象はないです。
-Xreal Air+Beamでの使用時には、Netflixのダウンロード視聴をおススメします。*iPad pro等の端末を接続しての視聴は変わらずキレイにできるので、画質にこだわる方はこちらの方法をお取りください。
kirinsha-keycaps.hatenablog.com
Quest 3について
-前回の記事では「映画視聴用途なら、Quest 2でも十分」と、まとめの一部で描きました。
-今でも同じ所感ではある*4のですが、Quest 3のヘッドストラップとフェイスクッションを、それぞれBOBOVRとASMR製のクッション付きに変更したところ装着感が抜群に向上しました。
-それに伴い、「細部までよく見える!」「字幕がスッと頭に入ってくる!!」と感動しました。どうやら通常のヘッドストラップを使用していた頃は、位置が甘かったり、頭の締め付けや顔への圧迫感があったりと微妙に集中力を削いでいたようです。 (変更してから気が付きました。)
-また、フェイスクッションのおかげで空気の通りが良くなったため、目の乾燥がなくなりました。長時間使用(映画「RRR」を視聴)してもあまり疲労を感じません。
「Quest 3、思ってたほどじゃないね?」と感じている方は、ぜひヘッドストラップとフェイスクッションを変えてみてください。お願いします。全然違います。
-私が現在使用している組み合わせはこちら。
組合せ例
Quest 3
ヘッドストラップ
AMVR製フェイスクッション(v1)
-リンクはアップデート版(v2)です。以下の「気になるところ①」が改善されているようなので、こちらをオススメします。
ネックピロー
-首の後ろの厚みは👇くらいです。
-これでもヘッドストラップの後頭部の方が出っ張ってしまうので、使用するときには大きめの枕などを肩から首にかけてプラスで使用してください。肩~首の傾斜をゆるやかにするイメージです。
-最もオススメなのは下記したYogiboですが、高いし大きいです……
マグネットアダプター
-BOBOVR M3 Proのバッテリーとの接続用👆
-Steam Deckとの接続用👆
-Steam Deckへの端子は、Immersed接続中に外れる危険性が高いためマグネットにしていません。十分磁力は強いのですが、取り回しの関係で何度か外してしまい、有線接続ができなくなってリカバリに多大な時間がかかりました……ご注意を。
イヤホン
-Immersed使用時にQuest 3側から音を出すと、プツプツと断続的に途切れるので、必ずSteam Deck側に接続してご視聴ください。
-私はQuest 3側(映画視聴の時はこっち)にはKZ ZSTX、Steam DeckにはTRN Conchを接続しています。あまり耳が良い方ではないのですが、ZSTXの方があまり疲れない気がします。プラスチック製で物理的に軽いのも長時間視聴に向いているのかもしれません。ただ、付属のケーブルが絡まりやすいので、Steam Deckでは使用しませんでした。(リケーブルすればいいんですが。)
-TRN Conchには何の不満もないです。いろんな方がオススメしている理由がよくわかります。
-なお、どちらも長さが最適というわけではないです。お好みで。
シリコンケーブル
-シリコンケーブルの中でも細めでやわらかく、60Wの充電もサポートしているので邪魔になりません。
-なお、Immersedの USB-C Mode w/ Meta Quest (BETA) によると、ケーブルには制約があるようです。データ通信速度が高速であればあるほどいいわけではなさそうなので、ご注意を。
USB-C ケーブルはデータと電力をサポートする必要がありますが、高スループットはサポートしていません(例: 480mb/s が望ましいが、5Gbps 以上は不可)*5
-USB-C Mode w/ Meta Quest (BETA)
-実際に5Gbps 以上の速度に対応するケーブルをいくつか試しましたが、動作しませんでした。また、Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C シリコンケーブル も動作しませんでした。代わりに、後述するドッキングステーションとモバイルバッテリーとのをつなぐ時に使用しています。私の環境の問題なのか相性なのか判別できませんが、ご参考までに。
ドッキングステーション・モバイルバッテリー
-Quest 3とSteam DeckをImmersedの有線モードで使用すると、Steam Deckのバッテリーが50%を切ったあたりで不安定になり、頻繁に接続が切れます。実質、1時間程度しか持ちませんでした*6。
-その場合、無線接続は問題なくできます。ただ、遅延は結構気になります。
-ちなみに、ノベルゲーム「マルコと銀河竜」をオートモードでプレイした場合なので、高負荷のゲームだともっと稼働時間は短いです。
-詳細は、以下の「気になるところ②」にまとめています。また、注意点もありますので同じような使い方を検討している方は必ずお読みください。
-私の用途でも1時間だと若干短く、充電しながら使用する必要があります。ためしにドッキングステーションとモバイルバッテリーを併用してみたところ、うまくいきました。その例が👆の組み合わせです。*7。
-ドッキングステーションは以前にクラウドファンディングに参加したもの👆しか持っていないのでほかのものは未検証ですが、おそらく動作すると思います。
-ただ、Steam Deck付属の充電器が45W、Quest 3は18W、ドッキングステーションも多少は給電する必要があることを加味すると、電源もしくはバッテリーはtype-c to cで接続できるものかつPDで100W程度のものを選んでおくと良いのかなと思います。
-後述しますが、Steam Deckだけを充電できればたいていは十分だと思うので60Wでも大丈夫です。ただ、少し大きめにしておくと安心な気がします。
-なお、私は上記の組み合わせでしか検証していないので、このコメントは多分に予測を含む霊感です。自己責任でお願いします🙇
Yogibo
-これがあると最高になります。
-ネックピローだけだと、寝転がったときに枕などのポジション合わせが必要ですが、Yogiboと併用すると、すぐにベストポジションに移行できます。なお、Yogibo単体だとちょっと首の傾斜がきついと思います。
気になるところ①
・AMVR製のフェイスクッションはレンズまでの距離を3段階で調整できます。その機構上すき間があるのですが、そこから若干 光が入ります。
・ちなみに、強度近視のレンズ*8を使用していますが、最もレンズから遠いもので まつげが当たらなくなりました。
・なお、私が購入したのは無印(v1)です。現行のv2では ”通気孔を改良し、光漏れをある程度軽減します” とあるので、気になるほどではないかもしれません。
◇公式サイトQ&A
AMVR Upgraded 3-in-1 PU Leather Facial Interface for Meta Quest 3 (v2)
対策
・距離はほぼ固定で使用するので、私は光漏れする5か所にマスキングテープのマットブラックを貼っています。
・体感ですが、Before→Afterで熱がこもる感じがするなどの変化はありません。
気になるところ②
・Quest 3とSteam DeckをImmersedの有線モードで使用すると、Steam Deckのバッテリーが50%を切ったあたりで不安定になり、頻繁に接続が切れました。実質、1時間程度しか持ちません。
・その場合も無線接続は問題なくできますが、遅延はけっこう気になります。
考えたこと
・2~3時間もたせたい。
・有線接続した状態で1.5時間程度使用し、Steam Deckのバッテリー残量は30%、Quest 3は70%でした。なお、1時間時点(Steam Deck 50%残量)で不安定になったため、そこからの30分はPC操作がメインです。ゲームだけだと消耗の具合が少し違うかもしれません。
・Quest 3とSteam Deckのどちらにもバッテリーが消耗しない程度の電力を共有できれば最良なのですが、ドッキングステーション含め、ホストとなるPCと接続先の両方にPDで電力供給できるものは少なかったので*9、Quest 3よりもSteam Deckへの給電を優先した方が良さそうと考えました。
対策
・AmazonやAliexpressで販売されている充電とデータ通信可能という触れ込みの分岐ケーブル(OTG)をいくつか試しましたが、いずれもうまく動きませんでした。Meta公式サイトでも、"USB On-The-Go接続は、Meta Questではサポートされていません"と明言されています。
・次にドッキングステーション+モバイルバッテリーの組み合わせを試しました。Steam Deckに給電しながらQuest 3と有線接続して接続したところ、30%以下の状態でも接続が安定しました。
・この組み合わせの場合、無事、3時間ノベルゲームに没頭できました。
・以上のことから、接続の状態には電力供給が影響してるようです。なので、2時間程度の使用でよいのであれば、バッテリーやアクセサリへの電力供給設定次第で50%以下でも不安定にならないかもしれません。(設定がわからないので検証できていません……)
注意点
・ドッキングステーションへの接続順を間違えるとSteam DeckにQuest 3が認識されなくなるなど、不具合が出ました。必ず以下の順序で接続してください。
- ドッキングステーションを電源に接続
- PC(Steam Deck)をドッキングステーションに接続
- Quest 3をドッキングステーションに接続
・もし接続順を間違えた、Immersed起動中にケーブルが抜けてしまったなどで、再接続したり時間を置いたりしても認識されなくなってしまった場合、Immersed公式Discordでお問い合わせください。つたない英語でも優しく教えてくれます。
・一応、私が再認識されるようになった時の手順は残しておきますが、詳しくないので、この件について問い合わせされてもお答えできません。ご承知おきください🙇
買ったけど採用しなかったもの
・ASVR製ヘッドストラップ
理由)
・ごろ寝での使用であれば、後頭部のダイヤルまでフラットになっているASVR製も快適でした。また、フェイスクッションもASVR製で組み合わせは最高です。
・ただ、厚みや後頭部を支える機構の違いのせいか、出っ張り感はBOBOVRとAMVRとであまり変わりませんでした。
・価格はAMVR製が5,000~6,000円ほど。Bobovr V3は7,000~8,000円ほど。この価格差をどう考えるかだと思います。
・私の場合、BOBOVR M3 Proの方が目の周辺への圧迫感が低かったため、AMVR製の方を不採用にしました。今回の記事の趣旨とはズレますが、BOBOVR M3 Proは、座って使用する際にも重さを感じにくかったです。
・なお、注意点ですが、AMVR製のフェイスクッションとBOBOVR M3 Proは、使い方や個人差によって干渉すること場合もあるそうです。私の骨格では大丈夫でした。現行のv2では多少改善されているかもしれません*10。
◇公式サイトQ&A
AMVR Upgraded 3-in-1 PU Leather Facial Interface for Meta Quest 3 (v2)
・Quest 3専用イヤホン
理由)
・長さはちょうどよかったのですが、左右が逆みたいです。(映画を観ていて気が付きました。)
まとめ
映画視聴
自宅でのホームシアター的な使い方であればQuest 3+Elite もしくは Haloタイプのヘッドストラップ、ごろ寝ならそれに加えてネックピローと枕やクッションを使用すると良いかなと思います。後頭部がどうしても出っ張るので、肩~首のあたりで支えてあげる必要があるためです。さらにYogiboなどの大型ビーズクッションと組み合わせると最の高になります。
外出先や移動中
XREAL Air+Beamが最適です。
Quest 3はやっぱり目立ちますし、持ち物も最小限で済みます。
Bluetoothヘッドホンを使用すると、つるの部分を押さえるバンドの役割も兼ねるので、耳の痺れも軽減できます。
ただし、Xreal Air+Beamのみの運用の場合、動画ファイルのダウンロードは必須です。また、PrimeVideoでは低画質過ぎて、正直厳しいです。Netflixであれば大丈夫だと思います。ただ、プレミアムプランでしか検証できていないので、明言は避けさせてください。
いずれにせよ高解像度なものを期待するのであれば、ちょっと荷物は増えますが、iPad等の出力用の端末を接続するようにしてください。
余談
当初の目的としていた「ごろ寝で映画・ノベルゲーム」は、Quest 3+各種アタッチメント+Steam Deck(Immersed)で完成しました。
ROG ALLYやLegion Goならハイスペックだしもっと快適に動くだろうなあと思う部分はありますが、それはそれ。
タッチパッドがあり(重要)、手持ちでも苦ではない重さという2点で、私の用途ではSteam Deckとの組み合わせが最適、と思っています。
*ほかを試したわけではないので断言はできないのですが。酸っぱい葡萄、ではない。ないはず。
*案件の依頼もしくはプレゼントお待ちしております
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この記事はNaked 64sf V3 proto 2+Acid caps ”soap bubble"で書きました。