キリン舎@キーキャップのお店(文筆店)

キーボード関連アクセサリーを自作しています。

【ガジェット紹介】Ergorestとその他の可動式アームレストの比較

キリン舎と申します。

普段は自作キーボード界隈でメカニカルキーボード用のkawaiiキーキャップを自作したり、デスクマットをデザインしたりしています。

こんなのを作っています

キーキャップ - BOOTHデスクマット - BOOTH

先日、デスク紹介記事を書きました。

この中でご紹介した可動式アームレストは、製品によって価格差がかなり大きいです。

購入にあたり単体のレビュー・紹介記事は読み漁りましたが、比較記事はなく、どっちを買うべきかかなり悩みました。

迷った挙句、両方購入しました(正気ではない)

出費が痛い……

同じような方の一助に慣れれば幸いです。

背景

慢性的な肩こりに悩んでいました。

一応気にして、デスクとひじ掛けの高さを合わせてPCに向かっていましたが、腕が肩からぶら下がっている感覚が常にありました。また、通常のひじ掛けでは肩を開いた状態*1での打鍵は、ポジション的に難しく、集中してくると脇を締めた姿勢になってしまいがちでした。

デスクのちょっと上に、肘というか腕を支える部分があるといいのになあと考えたのが、購入を検討した動機です。

比較対象

廉価アームレスト(サンワサプライ

Ergorest

  • 片腕 25,000~26,000円程度。
  • アームは金属製で、クッション部分は本革製。
  • 書斎のサイズを考慮して、私はスタンダードを購入しました。アームとクッション部分が長いロングバージョンもあります。
  • 楽天にも出展されていますが、ポイント還元を除くと国内直販サイト*2で購入する方が安いです。Amazonにもありますが、新規出品者や評価が微妙なところが多くちょっと心配ですね……直販がオススメです。

  • マウスパッド部がついたものも有ります。Ergorestでは、一番低い位置でもデスクより高く固定されるので、マウスを使用する方はこちらを選ぶと良いかもしれません。

詳しい比較

比較全体

使用していて、Ergorestは前腕の中央部を補助する、廉価アームレストは肘を固定する、コンセプトなのではないかと感じました。同じアームレストのくくりですが、けっこう用途と目的によって合う合わないがありそうです。

滑らかさや可動範囲については、Ergorestも廉価アームレストも大差はありませんでした。

ただ、コンパクトさや動作音、製品としてのディテールは圧倒的にErgorestが上です。

Ergorestの質感は高く、「これから10年は余裕で使えるな」と思いました。リセールバリューという言葉はかなり嫌いなので使いませんが、中古でも安心して使用できると思います。

ちなみに、私はPC作業用のデスクで使用していますが、中古で見つけたらハンドメイド作業用にも買い増しするつもりです。

廉価アームレスト

良かったところ
  • アームがぬるぬる動く
    • 通常使用ではErgorestと遜色ないと思います。継続して使用した場合はわかりません。
    • ただ、クランプ近く・中間・腕部の関節のうち、中間の関節だけは滑らかとは言い難く、Ergorestのストレスなく追従する感じには程遠いです。一方で、これにはいい面もあります。
  • 使用したい場所ではしっかり止まってくれる。
    • Ergorestではホールド感はありません。動きの滑らかさと本体の軽さと、トレードオフなのだと思います。
    • イラストを描く補助として、と考えるのであればこちらの方が向いているかもしれません。
  • クランプ部分(デスク)から上に、だけでなく、デスクよりも下げることもできる
    • 可動箇所が2つあり、クッション部分にも角度をつけられる。汎用性は非常に高いと思います。
  • クッション部が柔らかく、フィット感も良い。快適。
気になったところ
  • 本体が重い。
  • クランプするねじ部が下に伸びていてデスクによっては邪魔。
  • 体重をかけたりちょっと浮かせたり、という動きをする場合、もしくはアームを伸ばし切った状態(クランプ部分から使用する場所が遠い場合)では、動かすとぎっぎっと音が鳴る。
  • 体重をかけきった場合では鳴りにくいですが、それでもまったく鳴らないわけではないです。

Ergorest

良かったところ
  •  アームがぬるっぬるに動く。
    • ものすごく安定して動きます。
    • 音も全くなく、腕の動きに追従してくれます。
  • デスクに侵食するクランプ部分が45mm程度で、邪魔になりにくいです。
    • 下に出っ張る部分も少なく、デスク下の収納や足の開きを邪魔しません*3
  • シボ感やクッション部分の革が気持ちいい。
    • 質感がすごく良くていつまでも使っていたい気持ちになります。
    • 直接の機能性ではありませんが、使いたい、デスクに向かいたいと思うので、作業性には寄与する気がします。
気になったところ
  • ピタッとは止まらない
    • ホールド感はありません。安定性とは別の話です。
    • 動きが滑らかすぎて、動きすぎてしまう感覚があります。
    • イラストを描くときにポジションを保持する用途では少し厳しい気がします。ただ、私はイラストレーターではないので、この点については断言できかねます。あくまで一意見、素人の所感と思ってください🙇

画像での比較

アームの長さ。使用する高さに合わせています。

最長

どれだけ浸食するか / 出っ張るか

動画での比較

動きの比較(一般)

廉価アームレストの方の動きがやや固く見えますが、狭くて動かせる範囲が限定的だったことと、前腕を置いてしまっているからですね……

肘を置いて動かすとアームの長さも手伝ってちょうどよい感じです。詳しくは下の液タブ使用時の方をご覧ください。

なお、音はすべて廉価アームレストの方から鳴っています。

 

動きの比較(液タブ)

 

全体の所感

  • アームレストを使用すると、腕の動きがやや複雑な円運動になる。
  • 可動部分はクランプ部分とひじ掛け近くの2か所。やや慣れが必要。
    • デスクチェアのひじ掛けだと肘支点の一か所だけなので、決してデメリットではない。
    • ただ、自作キーボード好きのこだわりあるみなさんにおかれましては、運指や手首の回外・寝返りの動きが変化するのは重要な視点だと思います。
      • 私はほとんど困っていないのと、メリットの方が大きいので継続して使用する予定です。
      • ホームポジションからほとんど動かずに使用する」コンセプトのものとは相性が良さそうです*4
        • 使用してみて「だからKeyballシリーズを使用されている方が絶賛されていたのか!」と納得感がありました。

おわりに

ご質問等あればX(旧Twitter)でお気軽にリプライください🦒廉価アームレストの方はすでにメルカリ送りにしてしまいましたが、ご相談に乗れることはあると思いますので👍

※この記事内のAmazon楽天のリンクはアフィリエイトリンクです。

 

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この記事はNaked 64sf V3 proto 2+Durock White Lotus+Acid caps ”soap bubble"で書きました。

*1:肩甲骨を後ろに持ってくる感じ。弓道ではこういう表現をします。

*2:有限会社 スタッフシーズ

*3:通常使用ならそこまで足を開くことはないと思いますが……

*4:私はNaked64sf V3 proto2をメインで使用しています。